『自分の中に毒を持て』を読んで

ある人がオススメしていたので手に取ってみました。
めっちゃ有名な本ですが紹介したいと思います。

本の紹介

「自分の中に毒を持て」〈新装版〉

 あなたは常識人間を捨てられるか  岡本 太郎 著

岡本太郎さんと聞いて、恥ずかしながら私は、「太陽の塔」を作った人ということしか知りませんでした。”芸術は爆発だ”という言葉も有名ですね。この本は岡本さんの幼少期から社会の矛盾に立ち向かい、青年期ヨーロッパで過ごした経験をもとに、現代に生きる人に向けた言葉が書かれています。

ひたすらに、エール(辛口)心に残った文章

その1

「今は駄目だけれど、いずれ」と絶対に言わない。”いずれ”なんていうヤツに限って、現在の自分に責任を持っていないからだ。過去にこだわったり、未来でごまかすなんて根性では、現在を本当に生きることはできない。

ハッとさせられた言葉です。今はダメとまで言わなくても、「〇〇できるようになったら」と言ってみたり、成功するか分からないから、(できなかった時恥ずかしいから)今は言わないということは往々にしてしてきました。どうしても保険をかけたがるんですよね。もうこの言葉は使わないようにしよう。

その2

あっちを見たり、こっちを見たりして周りに気をつかいながら、カッコよくイージーに生きようとすると人生を貫く芯がなくなる。

当たり前のことかもしれないけど、やりがちなことじゃないでしょうか。私の場合、33年生きてきて、”空気を読む”、”人の顔色をうかがう”をいうことが染み付いてしまっているわけで、でもなりたい人間とは逆に向かっていることに気付きました。

その3

他に対してプライドを見せるということは、他人に基準を置いて自分を考えていること。そんなものは本物のプライドじゃない。たとえ、他人にバカにされようが、けなされようが、笑われようが自分が本当に生きている手応えを持つことがプライドなんだ。

比べるのはいつも過去の自分と。他人と比べてできていないと嘆くより、昔の自分と比べて前に進んでいたら良しとしよう。自分の人生を生きられるのは誰でもない自分自身。だったら好きなことをしたい。チャレンジしないとあっという間に歳をとるだろうなと思います。

自分の中に毒を持て<新装版> (青春文庫) [ 岡本太郎 ]

価格:814円
(2020/6/24 21:56時点)
感想(4件)


好かれる奴ほどダメになる(p90)を読んで思い出したこと

働き出した頃、ゼミの先生に声をかけていただいて精神保健福祉を学びに、10名でデンマークに1週間ほど研修に行ったことがあります。通訳してくれる現地の日本人と一緒にバイキング形式の夕食を食べる時、お皿をとって並び始めると、通訳の人が後ろに並んだので、悪気なくお先にどうぞと譲りました。長く体育会系の部活をしていたこともあり、”目上の人が先”という概念が染み付いていたからです。私の行動に、その通訳の人は、「信じられない。なんで譲るの?先に並んでたんでしょ?おかしいよ」と言って私に怒りました。そしてゼミの先生にも、「なんで?おかしいよね」とずっと話していました。私は、その時なんであんなにも怒られたのか全く分かず、でも相手の気分を害してしまったことに申し訳なく、恥ずかしく思って全然食事が楽しめませんでした。譲っただけなのに、なんで?という思いでいっぱいでした。

この本を読んで当時のことを思い出したのは、自分は知らず知らずのうちに「出る釘にならないように生きてきた」と言うことを実感したからかもしれません。人に「横着な奴だ」、「あつかましい」、「常識がない」と思われたくない一心で生きてきたから、何の疑問も抱かずに目上の人には逆らってはいけない、意見してはいけないと言うのが染み付いていたことに、今気づきました。自分の常識も時には疑うことが必要ですね。

まとめ

冒頭で、”ぼくは口が裂けても、アキラメロなどとは言わない”という文章があります。ここに書かれているのは、読む人に向けた岡本さん流エールです。

自分はどうしたいか迷った時、悩んだ時に力強く背中を押してくれる1冊だと思います。

20代の時に読みたかった、若い時に戻れるならと言いたい気持ちをグッとこらえ、今から何をするかに焦点を合わせていくことが大事だと考えさせられました。



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